Download
latest Releases : 2.0.0-RELESE
2.0.0-RELESE | Download page |
Number of Projects
RT-Component | 154.5 |
RT-Middleware | 35 |
Tools | 23 |
Documentation | 2 |
Choreonoid
Motion editor/Dynamics simulator
OpenHRP3
Dynamics simulator
OpenRTP
Integrated Development Platform
AIST RTC collection
RT-Components collection by AIST
TORK
Tokyo Opensource Robotics Association
DAQ-Middleware
Middleware for DAQ (Data Aquisition) by KEK
はじめに
Raspberry Pi上に存在する GPIO ピンのうちのI2C用ピン(2本)を用いると、複数の I2C デバイスを操作することができます。 ここでは、I2C を利用するためのセットアップ、C言語によるプログラム記述の実例、RTコンポーネント化するためのヒントを示します。
必要なもの
を取り上げます。
I2C(アイ・スクエア・シー)とは
I2C は2線を用いるシリアルバス通信の一種です。クロック線のエッジを用いてデータ線上で値の授受行い、バス上にある複数デバイスを制御することができます。 バス上にはマスターとスレーブがあり、規格では複数のマスター/スレーブの存在を許しているようですが、実際には単一マスター/複数スレーブによる使用が簡単です。 マイコンなどから利用する場合は、マスターによるクロック信号の送信と、データの通信プロトコル実装などを考慮して実装しなければなりませんが、Raspberry Pi を用いると既存のライブラリを使用して非常に簡単に I2C デバイスを利用することができます。
Raspberry Pi の GPIOポート(26pin)のうち、もともと I2C 通信専用に設定されている GPIO が2本存在します。(下図参照) GPIO 0 が I2C のデータ用ポート、GPIO 1 が I2C のクロック用ポートとしてあらかじめ設定されており、これらを利用することで簡単に I2C 通信を行うことができます。
この2本のポートを用いて I2C デバイスを直接接続するだけで、クロック線のドライブ・通信プロトコルの解釈などはすべて Raspberry Pi上の Linux で行われます。 ユーザーはデバイスファイル (/dev/i2c-*) の読み書きを行うことでデバイスからのデータ取得/デバイスへのデータ出力を実現できます。
複数のデバイスの接続はバス接続(下図)で実現することができます。 デバイス間の調停も Raspberry Pi側である程度は行うことになっています。 なお、上記GPIO 0、GPIO 1ポートは Raspberry Pi 基板上でプルアップ抵抗によりプルアップされていますので、別途プルアップする必要はありません。
準備
システム設定
Raspberry Pi で I2C 通信を使うためにはいくつのかの設定ファイルを変更する必要があります。 ファイルは root 権限で編集してください。
/etc/modules の編集
/etc/modules に以下の一行を追加します。
これにより、/dev/i2c-* が有効になります。
/etc/modprobe.d/raspi-blacklist.conf の編集
/etc/modprobe.d/raspi-blacklist.conf の以下の一行をコメントアウトします。
以上の変更が終了したら、変更を反映するために再起動してください。
i2c-tools のインストール
i2c-tools はコマンドラインから I2C デバイスへアクセスするためのツールです。 実際に開発する際には、コマンドラインから I2C デバイスの動作を確認したいことがたびたびありますので、事前に i2c-tools をインストールしておいてください。
として、インストールします。
配線
上記のブロック図では、I2C デバイスは SDA、SCL の2線のみが配線されていましたが、実際には当然各デバイスに電源を供給してあげる必要があります。 それほど消費電力の大きくない I2C デバイスであれば、Raspberry Pi の GPIO ピンヘッダ 26pin のうち、2,3pin(5V)、1,17pin(3.3V)からでている電源を利用することができます。 I2C デバイスの説明書・データシートを参照した上で、5V ないし 3.3V のうち適切な電源を供給するようにしてください。 また、PiRT-Unit には I2C用の4ピンのコネクタが付属しており、SDA、SCL、3.3V、GND が配線可能です。
今回用いる I2C デバイスはすべて 3.3V で動作するため、Raspberry Pi の 1,17pin(3.3V)から各デバイスに電源を供給します。 以下にブレッドボード上に上記の4つのデバイスを配置した際の配線図を示します。
配線の際にはデバイスの説明書/データシートをよく読んで間違いのないよう配線してください。配線を間違うとデバイスが認識されないだけでなく、場合によってはデバイスが破壊される可能性もあります。
デバイスの種類によっては、使用方法によって適宜ジャンパが必要なものや、I2Cの2本の信号線以外に割り込み、リセット信号などをが必要なものもあります。その場合は、Raspberry Pi の GPIO ピンを適宜利用し、プログラム側から制御する必要があります。
動作確認
デバイスアドレスの確認
上記の配線が完了したら、Raspberry Pi上から i2c-tools を利用してデバイスを操作することができます。 まずは、i2cdetect コマンドで、I2C バスに接続されているすべてのデバイスのアドレスを確認してみましょう。以下のようにタイプすると、下図のような表示が現れます。
図では4個のデバイスが存在していることが確認できます。-(マイナス)以外に16進数の数字が表示されていますが、それぞれが各デバイスのアドレスを表しています。内訳は、
となっています。このコマンドと各デバイスの説明書/データシートを突き合わせることで、Raspberry Pi が I2C デバイスを認識できているかを確認することができます。 なお、Raspberry Pi のリビジョンによって、コマンドの後ろに入れるバス番号が0の場合と1の場合がありますので注意してください。
デバイスの制御テスト
デバイスに実際にデータを書き込むには i2cset コマンドを、デバイスからデータを読み込むにはi2cgetコマンドを使用します。(下図参照)
この例では、LSM303DLHCの説明書に従って、まず地磁気センサを動作させるために0x1eのアドレスのデバイスに対して内部レジスタ0x00~0x02に所定の数値を書き込み、内部レジスタ0x31~32、0x03~0x09を読み出しています。 その後、LSM303DLHCの加速度センサを動作させるため、0x19のアドレスのデバイスに対して内部レジスタ0x20に所定の数値を書き込み、0x28~0x2dまでの数値を読み込んでいます。
i2c-toolsのコマンド群はルート権限でのみ実行可能であるのでsudoを使用するか、sudo bashとしてrootになって実行する必要がありますので注意してください。
C言語によるデバイス操作
プログラムからこれらのデバイスにアクセスするには、デバイスファイル (/dev/i2c-0 または /dev/i2c-1) をオープンし、読み書きすることでデバイスのレジスタ操作および値の読み出しを行います。
ただし、I2Cデバイスの種類によっては特有の初期化シーケンスを持っていたり、デバイスのデータの読み書きに一定の手順を要求するものがあります。各デバイスの説明書やデータシートを確認しながらプログラムを作成する必要があります。 (インターネット上には、RaspberryPi/AVRマイコン/ArduinoなどからのI2Cデバイスの制御方法に関する情報が色々あるようですので、そちらも参考にしてください。)
以下に、L3GD20デジタル3軸ジャイロセンサモジュールを用いたサンプルプログラムを掲載します。
このモジュールはI2CおよびSPIでの通信が可能なセンサモジュールで、I2Cデバイスとして利用する場合、アドレスを0x6a、0x6bの2種類から選択可能です。ここではアドレスを0x6aとして使用しています。
内部レジスタは、
このほか、検出レンジ、サンプリングレート等の設定も可能ですが、ここでは触れません。
プログラム
以下にプログラムを示します。 なお、こちらからダウンロードすることもできます。また、I2CセンサをRTコンポーネント化した、データ取得コンポーネントおよびディスプレイコンポーネントもサンプルとして示します。
RTコンポーネント化のためのヒント
RaspberryPi上でI2Cデバイスにアクセスするプログラムは以上のように記述することができます。上記のコードをRTコンポーネント化する場合には、例えば初期化部分をRTコンポーネントのonInitializeまたはonActivatedに実装、デバイスからデータを取得して表示するルーチンを onExecute に実装し、OutPortから出力するようにすれば、センサデータを出力するコンポーネントが出来上がります。
実行コンテキストの周期は、I2Cデバイスおよびバスの速度と、バスに接続されているI2Cデバイスの数、それぞれのI2Cデバイスのサンプリングレートなどから決める必要があります。
複数のデバイスをI2C接続した状態でこれらをコンポーネント化する場合、各デバイス間でデータの読み書きのスケジューリングを考慮する必要があります。 実現手法として考えられるのは、