OpenRTM-users MLの皆様
産総研 安藤です
先日東京大学の野沢さんからご提案があり、RTM国際標準化委員会で承認された
クオータニオンのデータ型ですが、OpenRTM-aistのExtendedDataTypes.idlに
追加したことをお知らせいたします。
# 現在のところtrunkに追加しております。インターフェースが変更となるので
#1.1のブランチにはマージしておりません。
前回の委員会で再提案となったロボットアームインターフェース仕様などについても
引き続きご議論いただければと思います。
次回のRTM標準化委員会は4月10日の予定です。よろしくお願いいたします。
Index: src/lib/rtm/idl/ExtendedDataTypes.idl
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東京大学の野沢です。
クォータニオンに関して、大変遅ればせながら返信させていただきたく存じます。
姿勢表現に関しては、末広先生ご指摘の通り
既存のOrientation3D、Pose3Dでは混乱が多く問題だと思います。
一方姿勢表現としてのクォータニオンの導入は、
私が提案者でもありぜひ採用いただけますと助かります。
メリットとしては関谷様ご指摘の
> 1.4要素なので,回転行列(3x3)に比べ,通信量・メモリ使用量が少ない
> 2.オイラー角のように特異点がない
> 3. 回転を積み重ねていった場合の誤差が少ない(正規化が可能)
と同様のことを考えておりました。
一方、議論されているデメリットとしては、
1. 内部で3x3行列を使用している場合、変換が必要
2. 仮にクォータニオン・3x3行列を採用する場合、
同じ状態を表すのに複数のデータ型をもつことになる
などがあるように思います。
こちらに関して意見を述べさせていただきますと、
> でも,多くの場合,行列に変換してから処理することが多いと
> 想像するのですがいかがでしょうか.
オイラー角・3x3行列・クォータニオンのどれがコード内で
用いられているか、客観的に判断しづらいところがあると考えております。
実際、私が直近でよく目にするコードでは、クォータニオンがかなり使われております。
また、
> この得失を比較して,データは9つになるけど行列の方が
> 汎用性が高いのでデータ交換用には良いのではないかと
> 考えているのですがいかがでしょうか?
オイラー角でなければ、3x3行列同様クォータニオンも
表現上の特異点がない点で汎用性は高いと思います。
データ型の乱立は問題ではありますが、関谷様・ジェフ様ご指摘のとおり
いくつかの基本的な型を用意しておくと、かえって独自型を
個々人が定義することが避けられ、混乱がないと考えております。
以上を考慮した私の意見としては、
(a) 今回の件では3x3行列とクォータニオン(もしかしたらその他もありえますが)で
どちらも広く使われていると思いますので、複数が採用するのはいかがでしょうか。
(b) また、その際に他の一切のOpenRTM以外のライブラリに依存することなく
それらの間の変換ができることが重要に思います。
OpenHRP3を拝見したところ
https://openrtp.org/svn/hrg/openhrp/3.1/trunk/hrplib/hrpUtil/Eigen3d.cpp
姿勢表現間での変換関数を用意しているようです。
演算までする必要なく、変換のみで大丈夫かと思いますが、
こういったものをOpenRTMの中に取り込んでいくこともご検討いただきたく存じます。
(いれるとすればcoilなどになりますでしょうか)
となります。
以上、ご検討いただけますと幸いです。
2013年11月22日 16:51 Makoto Sekiya :
> 末廣先生
>
> 本田技術研究所 関谷です。
>
> クオータニオンデータ型は必要だと思います。
> 弊社では過去,姿勢表現に回転行列を用いていましたが
> 下記の理由から現在ではクオータニオンに統一しています。
>
> 1.4要素なので,回転行列(3x3)に比べ,通信量・メモリ使用量が少ない
> 2.オイラー角のように特異点がない
> 3. 回転を積み重ねていった場合の誤差が少ない(正規化が可能)
>
> また,私どももExtendedDataTypes.idlを参考にクオータニオンデータ型を定義
> しており,それは岡田先生の提案と同様の表現となっております。
>
> 少なくともよく知られたデータ型に関しては,データの要素・並び順などの標準
> があると独自型の乱立を防ぐことができると思います。
>
> よろしくお願いします。
>