学習・推論コンポーネント

β-RNAによる学習推論コンポーネント

β-RNAは、株式会社アドイン研究所が開発・販売する「ファジィニューロ学習・推論エンジン」です。従来の学習系とは違い、ファイジィ理論とニューラルネットワークの利点を合わせ持つ、新しい学習・推論エンジンです。手本となるデータを学習させるだけで、自分でルールを生成し、学習したルールに基づいて作業を実行します。

開発の背景

実用的なロボットを開発するには、データ(状況)から学習し、推論(判断)をおこなう機能が必要になると考えられます。この、学習、推論機能を、RTコンポーネントとして実現できれば、ロボット開発の効率が向上するはずです。

学習・推論とは?

学習・推論は、人工知能の“機械学習”という分野で研究されています。“機械学習”では、学習・推論を、次のように考えます。

学習
サンプルデータ集合を対象に解析を行い、有用な規則やルールを抽出すること。
推論
“学習”の結果、抽出したルールをもとに、未知のデータに対して、新しい結論を得ること。

学習・推論コンポーネントができること

学習・推論コンポーネントでは、以下のような学習・推論を行います。

学習動作
学習・推論コンポーネントに、サンプルデータ(=予め、カテゴリ分類されているデータ)を教示(=サンプルデータを入力して、そのデータがどのカテゴリに属するのかを教える)すると、学習・推論コンポーネントは、統計的な処理により、データをカテゴリ分類するためのルールを自動的に生成します。
推論動作
未知のデータ(=カテゴリ分類されていないデータ)を入力すると、学習動作により生成したカテゴリ分類のルールを用いて、入力されたデータがどのカテゴリに属するかを推論して、その結果を出力します。

学習・推論コンポーネントは、どんな場合に役に立つの?

入力されたデータを、カテゴリに分類するためのルールを、数式、あるいは、IF~ELSE~THEN形式で記述できる場合は、学習・推論コンポーネントを使わないで、カテゴリ分類ルールを、人がプログラムすれば良いでしょう。


ところが、現実社会には、入力されたデータを、カテゴリに分類するためのルールを記述できない場合が多いのです。例えば、人は、りんごとみかんとを、容易に分類できますが、果物を、「りんご」というカテゴリ、「みかん」というカテゴリに分類するためのルールを記述するのは、大変なことです。これは、分類するためのルールに、あいまいさを記述しなければならないことによります。このような場合に、学習・推論コンポーネントを使うと、コンピュータが、果物を、「りんご」と「みかん」とに分類できるようになります。

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学習・推論コンポーネントに、りんごとみかんのサンプルデータを入力して、教示を行う

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学習・推論コンポーネントに、未知のデータを入力して、推論させる

このように、学習・推論コンポーネントを用いると、分類のためのルールを、プログラムとして記述するのが難しい分野(文字認識、画像認識等のパターン認識の分野など)でも、カテゴリ分類を行うことができるようになります。

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発表文献

  1. RT ミドルウェアによる学習・推論コンポーネント, 玄葉 誠, 中村 健, 安藤 慶昭, 神徳 徹雄, 日本機械学会 ロボティクス・メカトロニクス講演会2007, p.1P1-B05, 2007/05

備考

  • 学習・推論コンポーネントは、株式会社アドイン研究所のファジィニューロ学習・推論エンジンであるβ-RNAを、RTミドルウェア上で動作するように、RTコンポーネント化したものです。既存のソフトウェアを、RTコンポーネント化した時の作業記録として、開発手順書を公開します。
  • 2007年5月11日に、日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門主催の、『Robomec2007』にて、学習・推論コンポーネントについての発表を行いました。発表で使用した資料を公開します。なお、『Robomec2007』の詳細は、以下の通りです。

 社団法人 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門主催
 ロボティクス・メカトロニクス講演会2007 『Robomec2007』
 期間:2007年5月10日(木)~5月12日(土)
 場所:秋田拠点センターALVE

ライセンス

  • 学習・推論コンポーネントは、株式会社アドイン研究所のファジィニューロ学習・推論エンジンであるβ-RNAを使っています。
  • 学習・推論コンポーネントの著作権は、β-RNAライブラリを除き、独立行政法人産業技術総合研究所に帰属します。
  • β-RNAライブラリの著作権は、株式会社アドイン研究所に帰属します。
  • β-RNAライブラリは、株式会社アドイン研究所の商品ですが、非商用利用に限っては保守・サポートなしを条件に無償で使用してよいものとします。

連絡先

 株式会社 アドイン研究所
 〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町3-6 秀和紀尾井町パークビル2F
 TEL: 03-3511-2215 FAX: 03-3511-3078
 E-mail : rt_brna@adin.co.jp
 URL : http://www.adin.co.jp

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最新バージョン : 2.0.1-RELESE

統計

Webサイト統計
ユーザ数:2195
プロジェクト統計
RTコンポーネント307
RTミドルウエア35
ツール22
文書・仕様書2

Choreonoid

モーションエディタ/シミュレータ

OpenHRP3

動力学シミュレータ

OpenRTP

統合開発プラットフォーム

産総研RTC集

産総研が提供するRTC集

TORK

東京オープンソースロボティクス協会

DAQ-Middleware

ネットワーク分散環境でデータ収集用ソフトウェアを容易に構築するためのソフトウェア・フレームワーク