rtdoc

RTコンポーネントのドキュメンテーションを表示する

Author: Geoffrey Biggs and contributors
Date: 2010-10-24
Copyright: EPL-1.0
Version: 3.0
Manual section:1
Manual group:User commands

書式

rtdoc [options] <path>

概要

RTコンポーネントのドキュメンテーションを表示します。

あるRTコンポーネントは内部的にドキュメントを含んでおり、それは、隠され たコンフィグレーションセットに保存されています。 このツールでそのドキュメンテーションを複数のフォーマットで表示できます。 対応フォーマットは reStructuredText、HTML、およびPDFへのコンパイルに 適しているLaTeXです。

オプション

-f FORMAT, --format=FORMAT
 フォーマットを選択します。 rsthtml および latex から選択し てください。
-g, --graph コンポーネントのグラフを表示させます。
--version プログラムのバージョン番号を表示して終了する
-h, --help ヘルプを表示して終了する
-v, --verbose 冗長な情報を出力する [デフォルト: False]

RTコンポーネントのドキュメンテーション

このツールに対応するためにRTコンポーネントは __doc__ というセットに ドキュメンテーションを保存しないとなりません。このセットでの隠されていな いパラメータはすべてセクションとしてドキュメンテーションに追加されます。 隠されたセットは名が __ で囲まれています。

一般のセクションは以下の通りです:

intro
  コンポーネントの紹介です。目的を短く説明します。(Title:
  ``Introduction``.)

reqs
  ほかの必要なソフトなどのコンポーネントを使うための要件です。
  (Title: ``Pre-requisites``.)

install
  コンポーネントのインストール手続きです。
  (Title: ``Installation``.)

usage
  コンポーネントの使い方です。(Title: ``Usage``.)

misc
  ほかの必要な情報です。(Title: ``Miscellaneous``.)

changelog
  コンポーネントのバージョン間の変更を説明します。
  (Title: ``Changelog``.)

上記に加え、コンポーネントにポートがある場合、 ports というセクションが 自動的に作られて、 default というセットにコンフィグレーションパラメー タがある場合、 config というセクションが自動的に作られます。 __doc__ セットにほかのセクションがある場合、それも自動的に作られます。

拡張情報をドキュメンテーション前文に追加するため、3つパラメータをセッ トすることもできます。 __doc__ セットにパラメータを設定してください。

__license__
コンポーネントのライセンス。LGPL、BSD等。
__contact__
開発者の連絡先。メールアドレス等。
__url__
コンポーネントのウェブサイト。

ドキュメンテーションのパラメータはソースまたはコンフィグレーションファイ ルに設定することも可能です。ソースに設定した場合コンポーネントを使う時に必 要なメモリーが大きくなることがあるので、ファイルの方がおすすめです。

ソースに設定する場合は以下のようにできます:

'conf.__doc__.__license__', 'LGPL',
'conf.__doc__.__contact__', 'a@example.com',
'conf.__doc__.__url__', 'http://www.openrtm.org',
'conf.__doc__.intro', 'This is the introduction.',
'conf.__doc__.reqs', 'This component requires nothing.',
'conf.__doc__.install', 'Type "make install"',
'conf.__doc__.usage', 'Run comp_standalone.',
'conf.__doc__.misc', 'Extra information.',
'conf.__doc__.changelog', 'No changes.',
'conf.__doc__.Another', 'A non-standard section.',

デフォルトでセクションは以下の順番に表示します。

intro, reqs, usage, ports, config, misc, changelog, [他のセクション]

__doc__ セットの __order__ というパラメータを設定することによって 変更することが可能です。パラメータ名のリストにコンマ区切りで設定してください。 パラメータ名はセクションを示します:

'conf.__doc__.__order__', 'intro,ports,config,reqs,Another'

このパラメータに入っていないセクションはその後に表示します。

ポートのドキュメンテーションは description というプロパティをポートに 追加します:

self._inport.addProperty('description', 'This port receives stuff.')

コンフィグレーションパラメータのドキュメンテーションは __description__ というセットに設定します:

'conf.default.param', '0',
'conf.__description__.param', 'A test parameter.',

パス

rtshellパス でRTCツリーのオブジェクトを示します。パスは オブジェクトのアドレスです。ネームサーバとネームコンテクストは ダイレクトリで、マネージャとRTコンポーネントはファイルです。POSIXの cat 等のコマンドと同じように、コマンドに渡したパスはrtshellの ワーキングディレクトリに追加されます。rtshellの現在のワーキングディレクトリは RTCSH_CWD という環境変数に保存されて、 rtcwd というコマンドで 変更することができます。

利用できるパスはコマンド実行時のネームサーバによって変わります。 RTCSH_NAMESERVERS という環境変数の値に記録されたネームサーバとパスに 指定された ネームサーバを組み合わせて提供します。

例えば、 /localhost/comp0.rtclocalhost にあるネームサーバに登録 された comp0.rtc というRTコンポーネントを示します。 /localhost/manager/comp0.rtclocalhost にあるネームサーバの下の manager というディレクトリに登録された comp0.rtc というRT コンポーネントを示します。 ./comp0.rtc は現在のワーキングディレクトリ の中にある comp0.rtc というRTコンポーネントを示します。

RTコンポーネントのポートを示す場合、パスの後にコロン(「:」)で区切って 示します。例えば、 /localhost/comp0.rtc:datacomp0.rtc というRTコンポーネントの data というポートを示します。

新しいポートを作るコマンドもあります。この場合、オプションをパスに追加 することができます。使えるオプションは作られるポートの名前とフォーマッタ です。指定方法は以下の通りです:

path:port.name#formatter

例:

/localhost/blurg.host_cxt/comp0.rtc:input.stuff#a_printer

作られるポートの名前は stuff で、データは a_printer という関数で ターミナルに表示するように指定してます。( a_printer の関数はPythonが利 用可能な場所に存在する必要があります。普通はユーザがモジュールで提供します。) 作られたポートは comp0.rtcinput というポートに接続します。

「name」という部分は必須ではありません。書いていない場合は「.」文字も 書かないでください。例:

/localhost/blurg.host_cxt/comp0.rtc:input#a_printer

「formatter」という部分は必須ではありません。書いていない場合は「.」文字も 書かないでください。例:

/localhost/blurg.host_cxt/comp0.rtc:input.stuff

環境変数

RTCTREE_ORB_ARGS
ORBを作る時に渡す変数です。セミコロンで区切ります。必須ではありません。
RTCTREE_NAMESERVERS
RTCツリーを作る時に参照するネームサーバのアドレスです。アドレスをセミ コロンで区切ります。リストされたアドレスはすべてRTCツリーに追加して rtshellで見ることができるようになります。必須ではありません。
RTSH_CWD
rtshellの現在のワーキングディレクトリ。rtshellが自動的に設定します。 設定しないでください。

普通、ユーザが設定する変数は RTCTREE_NAMESERVERS のみです。よく使うネ ームサーバを設定しておくと便利です。例えば、Bashシェルの場合、以下のコマンド は localhost192.168.0.1:65346 および example.com にあるネーム サーバをいつもrtshellで利用できるようにします。

$ export RTCTREE_NAMESERVERS=localhost;192.168.0.1:65346;example.com

返り値

成功の場合はゼロを返します。失敗の場合はゼロではない値を返します。

デバグ情報とエラーは stderr に出します。

$ rtdoc /localhost/ConsoleOut0.rtc

ConsoleOut0.rtc のドキュメンテーションを標準出力に表示します。

$ rtdoc /localhost/ConsoleOut0.rtc > doc.html

ConsoleOut0.rtc のドキュメンテーションを doc.html というファイルに 保存します。

$ rtdoc /localhost/ConsoleOut0.rtc -f rst

ConsoleOut0.rtc のドキュメンテーションをreStructuredTextフォーマット に表示します。

$ rtdoc /localhost/ConsoleOut0.rtc -f latex > doc.tex &&
  rubber -d doc.tex

ConsoleOut0.rtc のドキュメンテーションを rubber ツールによってPDF に保存します。

参照

rtconf (1), rubber (1)