[openrtm-users 00275] Re: データポートとサービスポートの共存によるエラー(Win)
Ando Noriaki
n-ando @ aist.go.jp
2007年 11月 19日 (月) 18:41:15 JST
セック 坂口様
産総研 安藤です
お世話になっております。
表記の件につきましては、現在調査中ですのでしばらくお待ちください。
ただ、Windows版に関してはどちらかというと
セックさんの方が詳しいのではないでしょうか(笑
07/11/19 に Tomoya Sakaguchi<sakaguchi @ sec.co.jp> さんは書きました:
> 株式会社セックの坂口と申します。
>
>
> Windows上で、InPort(もしくはOutPort)とサービスポートを持つ
> コンポーネントを作成する方法がわかりません。ご存知の方が
> いれば、教えていただけないでしょうか?
>
> 私が上記のコンポーネント作成を試みたとき、以下の問題が発生しました。
>
> (1)サービスポートとデータポートを持つコンポーネントをWindowsで
> ビルドすると、「dllimport スタティック データ メンバ の定義は
> 許されません。」というエラーが発生する。
>
> (2)VC++のプロパティの「C/C++のプリプロセッサ」の定義から
> USE_stub_in_nt_dllを削除するとビルドは通るが、コンポーネントの
> 起動時に落ちる。
>
> (3)コンポーネントのヘッダファイルに、「#define USE_stub_in_nt_dll」
> の1行を加えてビルドを行うと、コンポーネントの起動時には落ちなく
> なるが、サービスポートによる通信時にエラーが発生する。
>
>
> 詳細は以下に示します。
>
> ------------------------------------------------------------
> (1)ビルド時に、以下の警告・エラーが出る。
> 「dll リンクが一貫していません。」
> 「dllimport スタティック データ メンバ の定義は許されません。」
>
> 再現手順を以下に示します。
>
> (a)Linuxのrtc-templateを用いてサービスポートのソースコードを
> 含むコンポーネントのソースコード作成します。例として、以下の
> ようなスクリプトを用います。
>
> -ここから-
>
> rtc-template -bcxx \
> --module-name=MySample --module-type='DataFlowComponent' \
> --module-desc='Sample' \
> --module-version=1.0 --module-vendor='SEC' \
> --module-category=sample \
> --module-comp-type=COMMUTATIVE --module-act-type=SPORADIC \
> --module-max-inst=10 \
> --inport=SampleIn0:TimedSample \
> --config="Param0:long:2" \
> --consumer=SampleService0:sampleService0:SampleService \
> --consumer-idl=SampleService.idl
>
> -ここまで-
>
> (b)Windowsのrtc-template.py(テンプレート作成スクリプト)を
> 用いてVisualC++のプロジェクトファイルを含むソースコードを
> 作成します。スクリプトの内容は、Linuxで使用したスクリプトの
> 実行ファイル名や行末の円マークを^に修正したものを利用します。
>
> (c)Linuxのrtc-templateで作成したソースコードをWindows版のソース
> コードを上書きし、プロジェクトファイルをオープンします。
>
> このような手続きを行っているのは、Windowsのrtc-templateでは
> サービスを含むソースコードを生成できないからです。
>
> (d)オープン後、サービスについて記述されているファイル(この場合、
> SampleService.idl)のidlコンパイルを実行を行います。
>
> (e)スケルトン、スタブを作成し、そのスタブファイル(*Stub.cpp/h)を
> プロジェクトに追加します。
>
> (f)ビルドを実行します。
>
> 以上のように手順でコンポーネントを作成していくと、「dll リンクが一貫
> していません。」という警告メッセージや、「dllimportスタティックデータ
> メンバ の定義は許されません。」というエラーが発生します。
>
>
> ------------------------------------------------------------
> (2)ビルドは成功するが、dataport.hhファイルのクラスInPortAnyの
> _thisメンバ関数でコンポーネントが落ちる。
>
> 再現手順を以下に示します。
>
> (a)(1)の(a)から(e)までを行います。
>
> (b)プロジェクトのプロパティで、C/C++のプリプロセッサの定義にある
> USE_stub_in_nt_dllを削除します。
>
> 私が調べた限りでは、サービスポートを利用する場合、C/C++のプリ
> プロセッサの定義にUSE_stub_in_nt_dllを含んでいませんでした。
> したがって、その項目を削除すればいいと考えました。これは、
> OpenRTM-aist-0.4.1ーWinのパッケージに付属しているサンプルコード
> を参考にしました。
>
> (c)ビルドを実行します。
>
> 以上のように手順でコンポーネントを作成していくと、今度はビルドは
> 正常に終了します。しかし、このコンポーネントは実行時に落ちます。
>
> デバッグモードでビルドし、どこで落ちているかを調査しました結果、
> dataport.hhというファイルに記述されているInPortAnyクラスの_this
> メンバ関数で落ちていることがわかりました。dataport.hhファイルは、
> 「C:\Program Files\OpenRTM-aist\rtm\idl」にあります。
>
>
> ------------------------------------------------------------
> (3)サービスポートの利用時に以下のエラーが発生する。
> 「omniORB: ERROR -- the application attempted to invoke
> an operation on a nil refrence.」
>
> 再現手順を以下に示します。
>
> (a)(2)の(a)から(b)までを行います。
>
> (b)コンポーネントのヘッダファイルに、「#define USE_stub_in_nt_dll」
> の1行を加えます。
>
> OpenRTM-aist-0.4.1ーWinのパッケージに付属しているサンプルRTC、
> MyServiceProviderにInPortを持たせるようにソースコードを修正し、
> ビルドを行うと、(2)と同じ結果になりました。
> また、同サンプルRTC、ConsokeInにサービスコンシューマポートを
> 持たせるようにソースコードを修正し、ビルドを行った結果、(1)
> と同じビルドエラーメッセージが出現しました。
>
> これらより、データポート(InPort・OutPort)を持つコンポーネント
> は、C/C++のプリプロセッサの定義にUSE_stub_in_nt_dllを含んで
> いないと実行時にエラーが発生し、また、サービスポートは、C/C++の
> プリプロセッサの定義にUSE_stub_in_nt_dllを含んでいると、ビルド
> が通らないと判断しました。
>
> 上記のように、データポートとサービスポートの共存は、/C++のプリ
> プロセッサの定義、USE_stub_in_nt_dllの排他的な問題によると判断
> しました。この問題を解決するためには、データポートのソースコード
> のビルド時にはUSE_stub_in_nt_dllを定義し、サービスポートに関する
> ビルドではUSE_stub_in_nt_dllを定義しないようにしないとならないと
> 考え、コンポーネントのヘッダファイルに
> 「#define USE_stub_in_nt_dll」を付加するようにしました。
>
> (c)ビルドを実行します。
>
> 以上のように手順でコンポーネントを作成していくと、ビルドは成功
> します。そして、この作成されたコンポーネントを実行すると(2)とは
> 違い、コンポーネント生成時に落ちることはありません。
>
> しかし、このコンポーネントからサービスポートを利用してサービスを要求
> したとき、「omniORB: ERROR -- the application attempted to invoke
> an operation on a nil refrence.」というエラーが発生します。
>
> サービスコンシューマからサービスプロバイダにサービスが届いていると、
> サービスプロバイダの要求されたサービスに関するコードが実行されるはず
> ですが、今回はブレークポイントを使って調べてみたところ、実行されて
> いませんでした。
>
>
> --
>
> 以上の3点です。
> よろしくお願いいたします。
>
>
--
安藤慶昭@独立行政法人産業技術総合研究所 研究員
知能システム研究部門 タスクインテリジェンス研究グループ
〒305-8568 茨城県つくば市梅園1-1-1 中央第2
TEL: 029-861-5981 FAX: 029-861-5971
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